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side.綾



頭に霞みがかかって、まぶたが重くなった。



「なおちゃんこれ食べてー」
「好き嫌いしない」
「やーだー!」



柔らかい、空気。
いつも一緒。



「んっ……あ、!」



高い声。

聞きたくない、
聞きたく、ない、


「綾、かーわいい」

「黙れっつってんだろ!」



都築の、声?

助けて、
助けて都築……っ



「桜木、起きろ」
「っ……!」



揺すられて、目を覚ました。
都築の顔が目の前にあって、そっと、額を撫でられた。



「あっ、あ゛」
「うなされてた」



抱き起こされて、ぎゅう、と都築にしがみついた。



「都築、っ……」
「ん、」



優しい声。
都築の記憶で、全部、埋まればいいのに。



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