6
 

side.綾



目が覚めた。
むくりと上半身を起こして目を擦っていると、まだ都築が寝ているのに気付いた。



「都築ー」
「う……」
「起きて、もう昼前だよー」
「おきます……」



横向きの身体を揺らして起こしてやる。
起きますって言ったけどさぁ、



「起きてる?」



顔を覗き込むと、都築がぱちっと目を開けた。



「っ……!?」
「やっと起きたー」



心なしびっくりしてるのは、俺が目の前にいたからかな。
笑ってやったら、都築がはあぁ、と大きな溜め息をついた。



「なに、そんなびっくりした?」
「違ぇよ。……俺、やっぱソファで寝る」
「え、そんな寝相悪かった?」
「そうじゃなくて……」
「?」



よくわからない。
身が持たないって聞こえたけど、やっぱり俺の寝相が悪くて、寝不足気味なんだろうか。



「ごめん、なさい」
「……馬鹿、謝るな」
「だって、」
「違うから。お前のせいじゃないから」
「じゃ、なんで」
「………えーっと」



結局都築は、本当の理由を言ってくれなかった。

……寝相なおす練習しよ。



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