3
(……どうすっかな)
このままじゃ、眠れそうにない。
ごろん、と桜木が横向きから仰向けになった。
こっちの気苦労も知らずに、平和なこって。
極整な横顔を見ながら、睫毛長いなぁなんて。
肌も綺麗だし、髪も細くて柔らかい。
ほぼ無意識に頭を撫でていると、
「……つ、づき……」
「っ………」
起こしたかと思ってびくりとしたが、聞こえたのは寝息。
(………くそ、)
そっと、閉じたままの唇を重ねた。
起きる様子はなく、啄むように何度も繰り返す。
薄い唇を舐めたり、甘噛みしたりしてやる。
「……は、……」
桜木が身動ぎして口が微かに開き、もう何も考えずに舌をねじ込んだ。
「んぅ………ん、」
「………」
反応がないのを見ると、まだ夢の中のよう。
(………やばいな)
頭の中でわかっていても、どうやら止まりそうにない。
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