1
桜木が正式に(?)うちに住まうことになって、早1週間。
それなりに距離も近まって、出会った頃には想像できなかったくらい、信頼みたいなのができた気がする。
警戒心ばりばりだった桜木も、無防備になって、
(………弱った)
それ故に、今俺は困っている。
「……ていうか俺、ベッド占領してた」
「何を今更」
昨夜、寝る前に桜木がふと言い出した。
桜木が足を怪我してたときから、俺はソファで眠っていた。
「ソファ狭くない?俺代わる」
「や、慣れたしいーよ」
「俺が居候してるからいいの!」
「じゃ床で寝るからベッド使えって」
「じゃあ俺も床で寝る!」
「………」
「………」
気遣いしてくれてるのはわかるけど、なんだか申し訳なくなる。
一向も話が進まない中、桜木が、
「じゃあさ、半分こしよ!」
「……はい?」
「ベッド半分こ。俺寝相いいから大丈夫!」
桜木が胸を張って言った。
前へ top 次へ