5
 

side.綾



汗だくで、息が荒いのは、探してくれてた?
怒ってるのは、心配してくれたから?



「ごめ、っ……ごめん、なさっ」
「………あー……」
「道っ……わかんなく、なって、それでっ……」
「……なに迷子になってんだよ」



都築が俺の頭を引き寄せて、肩に押しつけられた。
ぐしぐしと涙を拭うようなそれに、また涙が出てくる。



「平気、さっきの」
「う……怖かった、けど、っ」
「ま、何もなくて良かった」



次に都築と目があうと、いつもよりも優しいそれで。



「また、んなことあるかも知んねーし、勝手にうろつくなよ。特に夜」
「………」
「返事は」
「……はい……」



いいこ、と褒めるように頭を撫でられた。
ガキ扱いすんな、と言おうと顔をあげて、



「……っ、ん」



口を塞がれた。
さほど長くないそれの後、ぺろりと唇を舐められた。



「なっ……な、っ」
「慌ててやんの。おもしれ」
「っ……!」
「せっかくだし、祭り行く?」



動揺する俺を気にせず、都築が問い掛けた。



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