3
綾は泣き疲れて眠ってしまい、その時に朝倉がやってきた。
綾をベッドに移動させて軽い診察を受けて、疲労が溜まっているのだろうと伝えられた。
案の定、こっぴどく怒られた。
朝倉に後日きちんと病院に来るように伝えられ、俺はそのままベッドにもぐった。
綾は小さく蹲って、すぅすぅと寝息を立てていた。
良かった、と思った。
やっと戻ってきた、と安心した。
次の日、目を覚まして、
「わっ……」
ばっちり綾と目が合った。
俺より早く起きていたのだろう。
「びっくりした」
「……っ……」
そのまま綾は顔をくしゃりと歪ませて、俺に抱きついてきた。
まだ気持ちの整理がついていないらしい。
久しぶりに触れた綾の身体は、知っているそれとは細くなっていた。
それでも愛しさは変わらず、するりと腰を撫でた。
「腹、減ってない?」
「………」
ふるふると首を横に振られた。
「体調は?悪くない?」
「………」
これも、ふるふると。
代わりに抱きつく腕の力が強くなった。
甘える子どものようで、思わず頬が緩んだ。
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