8
 

「ふ……ぅ、んん……ん、」



無我夢中で血を吸っていた。
しばらくして、先輩が背中を叩いてきた。



「んぅ……?」
「……いや、俺の方も、しんどい」
「んっ……うあ、ごめんなさい、気分悪くないですかっ……」



吸血鬼の能力で傷口を閉じて、慌てて口を離した。
貧血を起こしてないだろうか。



「いや、体調は、変わりない」
「あ、良かった……」
「……吸血鬼は、血を吸うとそうなるのか」
「え……?」



どうなってるの?



「その、目がとろんとなって……誘ってるような」
「さそっ……」



かぁっ、と顔が赤くなるのがわかった。



「ちがっ……先輩が、いい匂いが、して……美味しくて、頭が、ぼうっとして……」
「そうか」
「……しんどいって、何がですか」



体調が悪いわけじゃなさそうだけど。



「だから、そういう姿を見せられると、俺も我慢が出来なくなるわけで」
「っ……!」
「……でっ、出来れば、俺のを吸ってもいいから、誰もみてないところでしてくれると、嬉しい」



俺以外には見てほしくない顔をしてるから、と先輩は少しだけ笑った。

先輩がいい匂いで、好きで好きで、くらくらした。



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