2
 

吸血鬼と言っても、毎日血を吸って生きているわけではない。

母が吸血鬼で、父は人間、所謂ハーフなのだ。
吸血鬼の血が薄い上、時代に沿うように進化を続けてきた吸血鬼たちは、現代においてはそう血を欲しなくなっていた。

けれど、全くなくて大丈夫なわけじゃない。
限られた『血』を求めるようになった。



その『血』は、『好き』に反応する。



「……今日はうちに来るか?」
「えっ……」



付き合い始めて一ヶ月。
先輩の部屋への訪問は、まだ出来ていなかった。

遅いとも言えるけれど、それは僕が拒んでいるから。

僕は、先輩が好きだ。
好きだから、先輩の『血』が吸いたいと思う。
先輩の匂いが、僕を誘う。



「あの、でも」
「来い」
「えっ……」



今日の先輩は強引だった。
当然だ、今まで拒み続けていたのだから。

拒否する言い訳も既に思いつかず、あれよあれよと連れて行かれた。



前へ top 次へ

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -