3
妊娠が発覚してから、俺と颯太は身体を重ねてない。
キスだって、あまり長くはしなくなった。
颯太が俺を気遣ってくれてるのがわかる。
だから、嬉しい。
……けど、少し、寂しい。
「……あの」
「ん?」
寝る前。
同じベッドに寝るのは変わらないけれど、颯太はいつの間にか、俺に背を向けて眠るようになってしまった。
前までは、抱きしめてくれたのに。
お腹に負担がかかると思ってるのかもしれない。
「え、ええと……非常に、言いにくいの、デスガ」
「あ?何だよ、俺眠ぃーの」
颯太の言い方に、ぐっと言葉を飲み込んだ。
「っ……じゃあ、いいっ」
「は?何だよ、気になるだろ」
むかついて、背中を向けて横になる。
こうなったら不貞寝だ。
「伊央」
「るさい」
「………」
隠すつもりもない、大きな溜息。
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