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綺麗な顔してるよなといつも思う。
守ってあげたくなるような、そんな雰囲気。
回復するにつれ、呼吸器はもう外れてしまっている。



「どんな生き方、してきたんだろうな……」



想像できなかった。



「……う、……」
「っ!」



微かな呻きが聞こえて、思わず席を立った。
顔を覗き込むと、目が、合った。



「目、覚めた?」
「っ……ぁ……」
「大丈夫だよ、ここは病院で、」
「あ、あっ……や、っ」



初めて聞いた声は、擦れていたけど澄んでいて。
けれど聞こえた言葉は、明らかな拒絶。



「やっ、……」
「落ち着いて、大丈夫だから」
「ひ、っ……!」



ナースコールを押したけれど、



「ばかっ、」
「っ―――!」



声に鳴らない叫びを上げて、自分の首を掻き毟った。
一瞬で血が滲み、躊躇った瞬間に父親たちが滑り込んだ。



「裕二、離れてなさい」
「っ」
「あ゛ぁぁ――っ!や、っ」



千夏が暴れだして、数人の看護士が取り押さえていた。



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