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side.千夏



少しずつ、わかってきたことがある。

僕は、どれい、じゃなくなったこと。
ゆうじは、ご主人様、じゃないこと。
でも僕はずっとここにいてよくて、ゆうじと一緒にいられること。

詳しいことは、まだよくわからない。
聞きたいけど、返事がこわいから、聞けなかった。



(………このまま、)



このまま、ゆうじのそばにいられるなら。
僕はなにも望まないんだ。



「今日はちょっとだけ、ご飯食べよっか」



ゆうじがにこりと笑う。
僕はただ、こくりと頷いた。

いつも点滴、っていうお水だけだったけど、少しずつご飯を食べるようになった。
でも、僕は、ご飯が苦手だった。

ご飯なんて、ぜいたくなもの、あまり食べたことないから。



「このくらい、ね」



お皿に少しだけ乗せられた、白いもの。
おかゆ、て言うんだって、前に教えてもらった。

スプーンに乗せて、ゆうじがふう、とおかゆに息を吹き掛けた。



「はい、口あけて」



僕がスプーンを持つと、こぼしてしまうから。
今はゆうじが食べさせてくれる。



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