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side.千夏



ゆうじは簡単に昇っていたのに、むずかしい。



「あっ……」



ず、っと足がすべる。
咄嗟に手をついたけど、がくん、と膝がおれた。



「………」



そのまま座り込む。
立ち上がろうと力をいれるけれど、足ががくがくした。



暗い、みち。
ひとり。



「……ゆ、じ……」



僕の声だけが、響いた。



「ふ、ぇ……っ」



足が冷たい。
身体が震える。

どうしよう。
どうしよう。
怒られるかもしれない。
もう、いらないって。
言われてしまうかもしれない。

僕にとってゆうじは。
最初はこわくって、
でもやさしかったから、
一緒に、いたくなって。

だから僕は、ゆうじにいらないってされるのが、一番、こわい。



「ゆうじ、っ……ゆ、じっ……」



会いたいよ。

いらないって、言わないで。



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