2
 

学校から家に帰って、飯食ったり色々して。
落ち着いたら千夏のところへ。
俺の、日課。

あれから、俺は千夏の病室で夜を過ごすことにした。
もともと広めの部屋に、ベッドをもう一ついれた。

親父は看護師を同伴させる言ったけれど、断った。
千夏は俺に一番心を開いてると自負してるから。
勘違いでも、思い込みでも、いい。



「眠れそう?」
「……う……」



もぞ、と隣のベッドで布団が動いた。
ベッドとベッドの間には小さな机が一つ。
手を伸ばしてギリギリ届く距離。



「……おやすみ」
「………」



返事はなかった。



「………」



目を瞑ると、昼間のことを思い出した。
途中でやめるなんて、我ながららしくないことをした。

でも、なんとなくわかってた。



―――俺はもう、誰も、抱けない。



「………ん、う……っ」



苦しそうに眠る千夏に、胸がぎゅっとなった。

どんな風に傷ついて、傷つけられたのかなんて、聞くことはできなかった。



前へ top 次へ

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -