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side.千夏



白い部屋に入って、もう何日経っただろう。
いつになったら、始まるんだろう。



白い服の人が、いつもたくさん入ってくる。
どうして、飲み物をくれるんだろう。
どうして、話し掛けてくるんだろう。
どうして、どうして?

注射は嫌い。
身体が熱くなって、変になるから。
でも、白い服の人の注射は違う。
ふわふわして、よく眠れるんだ。



新しい、ご主人様。

どうして、笑ってくれるの?
どうして、ごめんねって言うの?
どうして、助けてくれるの?

―――夢の中と、同じ匂い。



『怖いこと、しないからね……』



怖いことってなに?
僕は買われたんじゃないの?



『羽鳥裕二って言うんだ』
『よろしくね、千夏』



ご主人様は、いつものご主人様と、違う。



どうして?



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