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「え……?」
「……ごめん、急すぎだよな、」



航はまた、僕を胸に押しつけたから、顔が見えなくなってしまった。



「やっ……顔、みたい、」
「え?」



力を緩められ、また航と目が合った。
ゆるゆると頬に触れた。



「な、んで……そんな、泣きそう、なの……?」
「っ……」



航が、苦しそうに顔を歪ませた。



「奈津のこと……忘れようと、思ってた。支えてやれないし、傍にいちゃ駄目だって……また、傷つけるって」
「………」
「でも……無理だ。俺、傍にいたい。……奈津が、好きだから」
「っ……!」



真っ直ぐな目をして、航は言った。

息が、詰まるかと思った。



「奈津が俺を嫌いなら、それでいい。迷惑なら、もう会わない。ただ、俺は、」
「ちがっ……」



目をそらす航の首に、腕を絡ませて、抱き付いた。



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