6
(、きつ)
調子が悪くなって、1ヶ月くらいたった。
相変わらず僕の体調は戻らないまま。
航とも最近会ってない。
まだ生徒会忙しいのかな。
(駄目だ)
(航は明るい世界の人だから)
僕なんかと関わっているより、もっとたくさんの友達といるべきだ。
放課後。
先生が会議で抜けるから、僕は早々に保健室を出た。
1人で寮に帰るくらいへっちゃらだし、どうってことないけど。
(きもち、わる)
ひどい眩暈。
最近 また寝てないから。
(っ、やば)
ふらついて壁にぶつかり、しかし視界の歪みは治らないままでしゃがみこんだ。
意識が遠退く感覚。
「っ、う」
ふわり、宙に浮かぶ。
うっすらと目を開ける。
「……こ、う、?」
「………」
苦しそうな、悲しそうな、色んな感情を顔に出した航が、そこにはいた。
僕は夢かもしれないな、とぼんやり思いつつ、そっと意識を手放した。
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