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side.航



皆川先生に呼ばれて保健室にきた。
先生は授業があるらしく、出ていってしまった(俺も授業あるんだけど)。



「奈津?」
「…こ、」



力のない腕で身体を起こそうとしていたから、手伝ってやった。
途端、ぎゅっと抱き付かれた。



「なっ……奈津!?」



いきなりのことと、奈津が抱き付いてきたことに、驚きが隠せなかった。



「どうした、」
「こっ……こ、う、…っ」



奈津は泣いているようだった。
か細い声で、拙く言葉を紡いでいた。



「こわっ……みつき、せんせ……が、いな……っ」
「……奈津」
「いかない、で……1人に、しないで」



しがみついてくる腕が、微かに震えていた。



「み、つきせんせ……っ」
「ん。寂しいな」
「んっ、……会い、たい」
「早く会いたいな」



優しく奈津を撫でながら。
やっぱり先生には勝てないのかもしれないと。
思い知らされる様。



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