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side.満月



昼休みになって、昨日と同じく浅井の様子を見にきた。
物音がしなかったから、ぐっすり寝ているんだと。
楽観的に、考えていた。



「……え?」



床に、浅井が倒れていた。

消え入りそうなほど細い身体が、床に蹲っていた。
傍らには割れたビンと、散らばる錠剤。
浅井の顔が、真っ青だった。



「浅井っ……おい!」



思わず駆け寄って、肩を揺さ振った。
意識が薄い浅井が微かに目を開けた。



「馬鹿、薬飲んだな」



オーバードーズ。
迂闊だった。

まずは吐かせなければ。
立ち上がる力も、抵抗する力もない浅井は、俺が触れてもなんの反応を示さなかった。

洗面台に運んで、身体を支えてやり、無理矢理口に指を突っ込んだ。



「う、っ……え、」
「苦しいだろうが、我慢しろ」



次々に、錠剤が吐かれた。
発見がもっと遅かったらと思うと、ぞっとした。



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