5
 

昨日は何もなかった。
起きたら夕方で、航が迎えにきてくれた。

自分でも驚いた。
満月先生がいなくても、普通に過ごせたから。
少しは成長出来たのかな、と嬉しくなった。

今日も眠る。
夕方に航が迎えに来てくれるまで、頑張るんだ。



先生も、褒めてくれる?



「もう私がいなくても、大丈夫」
「私は必要ありませんね」
「1人でもいいでしょう」
「一緒にはいられません」
「いい加減、迷惑してたとこなんですよ」
「気付かなかったんですか」
「邪魔だったんです」
「早くいなくなって下さい」
「どうして、奈津は」



――どうして、お前は
―――産まれてきたんだ?



夢のなか。
声が重なった。




「っ……!」


目を開けると、1人。

ごめん。
早く死ねば、良かったね。



左腕を、強く握った。



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