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side.恭平


満月から浅井のことをお願いされた。

昨日は昼休みに保健室を覗くと眠っていたから、毛布をかけてあげた。
むやみに触れられるのを、恐れると聞いていたから。
ベッドにも運んでやれない自分の無力さに、腹が立った。

放課後には高梨が迎えに行ってくれて、何事もなくその日は終わった。



前よりも、回復したような気がした。
満月に1日の報告の電話をいれると、嬉しそうな声が聞こえてきた。

満月の大切な人だから、とか。
そんなことは抜きにして、浅井には普通の生活が送れるようになって欲しいから。
俺も素直に、嬉しかった。



ただ、嬉しかったんだ。



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