7
 

side.満月



奈津が俺の首に腕を回して、抱きついてきた。



「奈津?何言って、」
「おねが、しま……っ」
「っ……」



その時見えた奈津の顔が―――ひどく、欲情的で。

奈津の首元に顔を埋めて、服の中に手を滑り込ませた。



「ん、ぁっ」
「……奈津」



ベッドに押し倒した。
奈津の顔は涙でぐしゃぐしゃで、自分で望んだはずなのに、ひどく脅えた顔をしていた。



「……奈津」
「ん、……?」
「私は――君のお父さんとは違うよ」



頭を優しく撫でながら言うと、泣き出しそうに顔を歪めた。



「だっ……ぼく、にはっ……これ、しかっ」
「え?」
「僕、きたなっ……から、これしか、できなっ……」



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