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自分がよくわからない。
(なんだろう)
(……変な気持ち)
航のことは好きだった。
同じように、満月先生も好きだった。
優しくしてくれるし、何より、笑ってくれる。
でも、何かが違う。
(何が、ちがう?)
自問自答。
答えは皆無。
暑さに気付いて、長袖のままのワイシャツの袖を、おもむろに捲った。
左腕を埋め尽くす、傷。
(だめ、なんだ)
改めて思い知らされる。
自分の卑しさ。
(僕が誰かを、好きになるのは)
(その人を、不幸にする)
ぎゅっと、左腕を握る。
(僕は、誰からも)
――お前は一人だ。
―――誰からも、愛されない。
孤独が、僕を襲う。
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