4
 

自分がよくわからない。



(なんだろう)
(……変な気持ち)



航のことは好きだった。
同じように、満月先生も好きだった。

優しくしてくれるし、何より、笑ってくれる。



でも、何かが違う。



(何が、ちがう?)



自問自答。
答えは皆無。

暑さに気付いて、長袖のままのワイシャツの袖を、おもむろに捲った。
左腕を埋め尽くす、傷。



(だめ、なんだ)



改めて思い知らされる。
自分の卑しさ。



(僕が誰かを、好きになるのは)
(その人を、不幸にする)



ぎゅっと、左腕を握る。



(僕は、誰からも)



――お前は一人だ。
―――誰からも、愛されない。



孤独が、僕を襲う。



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