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side.航



「……ひどいものでした。ろくに食事も与えられてなくて痩せてたし、身体中に痣がありました」
「………」



満月先生が、苦しそうな顔をして言う。



「父親に酷い仕打ちをされてても、唯一の親でしたから。やっぱり怖かったんでしょうね。暫くは入院先の看護師にも怯えていました」



声が、出なかった。





「……それでも君は、この子を救い出して、愛してやれますか?」






何も、言えなかった。



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