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side.航



どうも奈津は鈍いらしい。
満月先生もきっと気付いているけれど、奈津は自分のあまりにも魅力的な容姿に無自覚すぎる。

入学式の日、1日しか会ってない俺が何故顔を覚えていたのか。
次の日、何故クラスで話題になったのか。
奈津はきっと知らないだろうけど。



奈津と再会出来たのは偶然で、下心がなかったと言えば嘘になる。
でも、一番は放っておけなかったからだ。

人を近付けない性格。
警戒に満ちた大きな目。
抱え込んでる何か。

なに一つ理解してやれていないけど、だからこそ、奈津に関わりたいと思った。



発作に襲われていたとき。
震える手で何かに縋るように、俺のシャツを握り締めていた。

その感覚が、今も忘れられなかった。



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