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「帰りとか、送ってもらえますね。私がいつもは毎日送ってますけど」
「……いい、送らなくて」
「ほら、奈津はいつもそう言う」



一人にすると、危ないから、駄目。と先生は言う。
高校生にもなって、隣の敷地の建物に行くために送り迎えだなんて。
僕は拒否するけれど、先生はいつも寮の部屋の前まで着いてくるんだ。



「危ない、て。小学生じゃないし……」
「危ないの。奈津はわからないかもしれませんけど」
「……?」



わけが分からなくて首を傾げたけれど、先生は資料に目を落としていた。
ふと、高梨と目が合った。

……3秒くらい固まって、顔を背けられてしまった。



(………)
(なんか、)
(嫌われた、のかな)



その前に好かれていなかっただろう、と自嘲。
嫌われたくらいで、どうってこと、ないけど。



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