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side.航
「浅井?」
「……ん、ぅ、」
眉間に皺を寄せて、浅井が身動ぎをした。
苦しそうに息をしている。
「い、……や、だ……っ」
「……浅井?おい、」
「ひっ……!」
うなされていた。
ぎゅっと拳を握っている。
あまりに苦しそうで、俺は浅井の細い肩を揺すった。
「浅井、起きて」
「ふ、………っ!」
ぱっと目を開けた浅井と、ばっちり目があった。
途端、小さく悲鳴をあげて起き上がり、ソファの端に逃げられてしまった。
「な、に……っ」
「あ、びっくりしたよな、ごめん。ええと、うなされてたから」
「……」
明らかな警戒。
伺うような目をして、こちらを見ている。
……困った。
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