3
 

side.航



ベッドに寝かせるべきか、起こすべきか悩んで、



(……!……うで、が)



身体に隠されて、左腕がソファからだらりと床に落とされていた。
ぽたり、と落ちるは、血。

本来の色を識別出来ないほどに、左腕は無数の傷で紅に染められていて。



「っ……おい!」



肩を揺らして起こすが、気を失っているのか目を覚まさない。
頬の赤さは熱なのか、触れた身体は熱かった。
……もしかしたら熱があるのかもしれない。



(ど、どうしよう、)



まずは血を止めなければ。
よく見ると血は半ば固まり始めていた。
手近にあったガーゼで流れる血を拭ってやる。
目を覆いたくなるほどの傷が、腕を埋め尽くしていた。

それなりに血を拭い、わりとマシになった。
消毒は必要であれど、やり方がわからない。
そもそも縫わなくていいのか疑問でもあった。

早く満月先生帰ってこないかなと、ドアをじっと見つめていたとき。



「……ん、」



前へ top 次へ

 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -