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目を覚ましたそこには、絶望と言うものしかなくて。
僕は荒い息を整えながら、真っ白なベッドから身体を起こした。
(また、夢、)
嫌な汗が身体を伝った。
「……み、つき、せんせ……?」
閉ざされたカーテンの奥。
名前を呼べど、返事はなかった。
(いない、の、)
のそりとベッドから這い出た。
保健室はしんと静まりかえっていた。
グラウンドからはにぎやかな声が聞こえてくる。
ふらつきながら、ソファに傾れ込むように座る。
ひどく、気分が悪い。
(ゆめ、が)
ひどい、夢が。
脳裏に焼き付いていて。
制服のポケットに突っ込んだままの、カッターを取り出して。
ぢぎぢき、と刃を出して。
古傷が汚く残る左腕を掲げて。
死ねばいいのに、と自嘲。
なんて自分は汚くて、なんて自分は醜くて。
(死ねよ、自分)
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