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かさかさと、コンビニの袋が夜道に鳴った。
夜飯をコンビニで済ますのはいつものこと。
男の一人暮らしなんてそんなもんだろう、煙草の煙を揺らしながらぼんやり考えた。
(あー……眠……)
コンビニからうちのマンションまでは、通りの一本向こう。
空腹と眠気に近道を使う。
寂れたビルの隙間をぬけると向こうの通りに出て、マンションの目の前に出る。
(よっ……と、)
街灯もあたらない暗い細道を歩く。
「……っ!」
思わずぽろりと口に咥えた煙草を落としてしまった。
人が、そこにはいた。
俺と同じように通っていたわけじゃない、その人影は明らかに―――地面に倒れていて。
「っ……おい!」
暗い視界の中、小柄な身体を揺さ振った。
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