6
「そんな怖かったの」
「ん、」
朝とは打って変わって、弱々しい。
必死に、しがみつくような腕の力は変わらない。
お前は何に怯えてんだと、そっと背中を撫でた。
「都築っ……」
「あ、ごめん」
嫌だったかと思い、背中の手を離した。
「ちが、違うっ、くて」
「え」
「もうちょっと、このまま……」
段々と落ち着いてきたようで、俺はまた背中を撫でた。
細い身体だなあと思いながら、未だに寝癖がついている髪を撫でてやる。
「ごめん、なさい」
泣き声なのは変わらないが、謝罪と共に腕の力が緩くなった。
「好きなだけいいけど」
「え……」
「まだ落ち着いてないだろ」
華奢な身体を、次は俺が抱き込んだ。
また震えだす身体に、ただそっと、腕を回した。
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