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side.綾



都築は、俺を痛め付けてきたやつらとは全然違った。
面倒くさそうなとこも、あっさりしたとこも、俺にとっては心地いい。
適当な距離感で、俺を安心させる。



「足、思ったより腫れてっから、病院行ったがいいと思うんだけど」
「……いい。……金ないし」
「確かになー」



……そこで納得してどうする。
すると都築は電話を掛け始めた。



「朝倉?うん、俺。今から……や、ごめんて」



なんか抜けてるやつだなあぁとか思いながら、構わず麺を啜った。



「今から来るって」
「……は?」
「え、医者」
「……金無いっつった」
「いーんだよ。……多分」



知り合いの開業医でさ、と都築は付け加えた。
いつもの癖なのだろう、煙草を取り出して……またポケットにねじ込んだ。



「吸えば」
「え」
「近寄らなかったら、別にいい。……ヘビースモーカーだろ」
「んでわかんだよ」
「灰皿にあんな突っ込むやついねーよ」



観念したように、少し離れて煙草を吸い始めた。



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