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気付いたのは、怯えた表情。
思い出すのは、爛れた皮膚。

何があったかは知らないし、詮索する気はない。
けれど何か厄介なことはわかるし、気を遣うべきだろうこともわかる。



「お前軽すぎだろ、飯食ってんのか」
「……手前には関係ないだろ」
「手前って……あ、名前言ってなかったか、」



ガキ……と言っても2つしか変わらない、桜木をベッドにおろした。
こちらが名乗っても無言のまま、桜木はまた壁際まで寄って、布団を握り締めて牽制。

……人慣れしてない猫みてえ。



「飯、食う?」
「……いい」
「いや、食え」
「いいっつってんだろ」



暴れたり、泣きそうになったり、弱々しくなったり、突っぱねたような態度とったり。
よくわからないやつ。

昨日の夜買ってそのままだったカップ麺を出した。
腹は減っているのだろう、おずおずと手を出してカップ麺を引ったくられた。



「……素直じゃねえなあ」
「うるひゃい」
「馬鹿、布団に汁飛ばすな」



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