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side.綾



「お前、名前は」



俺の足の包帯を巻き直しながら、そいつは言った。
飄々とした様子は、俺の周りにはいなかったタイプで。
こいつは俺の害になる人間じゃないと、なんとなく感じた。



「……桜木」
「下は」
「……綾」



それでもやっぱり、気を緩めることはできない。
俺はベッドに座ったまま、枕を抱き締めた。



「歳は」
「……18」
「じゅうはちぃ?」



変な声と、拍子抜けした顔。
ベッドの下に座っていた男と目が合った。



「せいぜい16くらいかと思った」
「………」



ん、終わり、と足から手を離された。
俺は後退って、男から距離をおいた。
盾のように枕を抱き締めて、男をにらみつける。



「お前さぁ……ま、いいや」



男はベッドに座って、煙草に火をつけた。



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