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side.徹平



「あの、こ、これ、ありがと、ござます……」
「いーえ!」



若葉はおずおずと、しかしはっきりと、翼に言った。
なんだ、ちゃんと言えるじゃねぇか。



「お前、たまには外出ろよ」
「え、弟ちゃん引きこもり?」



翼の言葉に若葉がびくっと身体を固まらせ、俺は半眼で翼を睨みつけた。
苦笑しながら手刀を切って謝り、空気を読んだように翼は違う客の方へ行ってしまった。



「引きこもりだか、登校拒否だか、知らねーけど」
「………」
「……ま、別にいいけどな」



どう生活するなんて個人の勝手だ、と話を打ち切り、翼の出したいつもの酒をあおった。
ふ、と若葉から目線を感じた。



「……なに」
「き、聞かないんですか、」



きょとん、と驚いたような顔。
きっと今まで、何度も理由を問い詰められたんだろう。



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