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side.若葉
「いつまで布団被ってんだよ」
「!」
これから兄になるらしい金髪の人は、ぐい、と僕の毛布を剥いできた。
「やだーっ!やだやだやだやだっ!!」
「あ!?」
「ごめんなさいね、徹平くん。この子、しばらく外に出てないの」
お母さんの説明に、剥ぐ手が止まった。
「何で?」
その問いかけは、僕に向けられている。
「え、えっと、あう」
「ま、いいや」
「っ……わっ!?」
小さな溜息が聞こえたと思ったら、毛布ごと抱きかかえられた。
丸太を担ぐように肩に乗せられて、身体が宙に浮く。
「ちょっと出かけてくるわ」
「はーい、行ってらっしゃい」
「やだあああああ!!」
じたばたしても、体格の良い金髪には効かなかった。
外!?
外に出るの!?
いつぶりの外……!?
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