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side.徹平
ほんと、油断ならねぇ。
睨んでもにこにこ笑ってる翼に、また一つ何か言ってやろうとしたとき、くんっと袖を引かれた。
「け、喧嘩、しないで」
見上げてそう言うのは、若葉。
きっと何の事だかわかってないんだろう。
自分が何されようとしていたかも。
「わわ、違うよ、喧嘩じゃないよー」
翼が怯えさせないように笑って弁明しながら、また若葉の頭を撫でようとする。
咄嗟にぐいっ、と若葉の身体を後ろにひいて、その手を逃れた。
「お前、触るの禁止!」
「えぇっ!」
「えーじゃない!」
また言い合いを始めてしまい、若葉がおろおろしたところで、はっと我にかえった。
仕方なく若葉の身体を離して、隣に座る。
「弟ちゃんは気にしなくていいからねー。お兄ちゃんが焼きもち妬きなだけだからねー」
「やきもち……?」
「誰が焼きもち妬いてるって?」
翼は前から軽口叩きで、でも根は良いやつだって知ってる。
でも、同性同士のそれに口を出すつもりはないが(そもそも翼はそっちに興味はないはず)、弟に手を出すとなると話は別だ。
悪い影響及ぼしたらどうする!
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