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あの日から、俺は人に触れられるのが怖くなってしまった。
稚早にはもちろん、他の友達にも言ってない。

言ったら、軽蔑される。
だからあえて、友達も作らないようにした。
誰も触れなくていいように。

でも、稚早は違った。
無愛想な、一匹狼の俺に、よく話しかけてきた。
何を考えてるのか、わからない。



「あーゆーむっ、手、繋いでい?」
「駄目」



稚早に告白されてから……いや、される前もだったけど、一緒に帰る途中。



「あゆって小さいから、抱き心地よさそー。ぎゅーってしたい」
「ぜってーやめろ」
「わかってますー」



稚早は、変なやつだ。
ちびな俺よりぐんと背は高くて、顔だって悪くない。
友達だってたくさんいるのに、なんで俺になんか。



「あゆが嫌なことは、絶対にしないからね」



にっこり。
どうしてそんなに、笑ってくれるんだろう。



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