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side.稚早



「ちょっ、なに入って来てんだよっ」
「えー?これ、俺のベッドだし」



のそのそと布団に入ると、歩がぎゃー!と騒ぎながらベッドから出ていってしまった。



「一緒に寝ようよー」
「ばか!」
「……あ、ここあゆの匂いがする」
「っ、ばか!へんたい!しね!」
「ぶっ!」



歩の匂いが残る布団を抱き締めたら、ソファのクッションを投げられた。
ソファに座って背中を向ける歩。

……あ、耳赤い。



「……かわいーなぁ、もう」



ベッドから這い出て、歩の隣に座った。
きちんと距離は人一人分。

もどかしいし、触りたくて仕方ないけど、あゆのことが大事だから。
絶対怖がらせないって、決めたんだ。



「……あゆ?」



なんだか、ぼぅっとしている。
目がとろんとしてるのは、寝起きだから?



「……あれ、熱あるんじゃないの」
「んー……?」
「顔ちょっと赤いし……待ってて、体温計取ってくる」



リビングから持ってきた体温計が、微熱を知らせたのはすぐだった。



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