7
「……俺も、瑠依のこと、好きだよ」
頬を撫でる大きな手と、目の前にある、綺麗な目。
いるは、すき。
すきは、いる?
僕が、いる?
嘘つきだ。
僕は、いらない人間だから。
「瑠依……?」
遮断するように、目を閉じた。
掴んでいた服を離す。
「なにが嫌だった?教えて?」
低くなった、男の声。
目を、とじる。
「……瑠依がどんなでも、俺は、好きだからね」
なに言ってるんだろう。
わけわかんない。
いらない。
嘘つきはいらない。
騙されるところだった。
人間は、すぐに裏切る。
汚ない。
僕も、汚ない。
「ごめんね、嫌な思いさせちゃったね」
いらない。
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