3
いつの間にか眠っていたらしく、男に起こされた。
「少しだけ、ご飯食べよ」
窓のそとは、暗くなっていた。
また身体を起こされて、男が皿を近づける。
白い、なにか。
「はい、」
小さなスプーンに乗せられた白いものが、近付く。
唇にスプーンが触れて、僕は少しだけ開いた。
その僅かな隙間に、そっと入り込む。
「おいしい?」
僕の返事を聞かぬまま、もう一度スプーンが近付く。
何度か繰り返しても、男が持つ皿の中は、一向に減らなかった。
お腹が、不快だった。
「瑠依……?」
気付くとタオルが口に宛がわれて、何も考えないままに不快感を吐き出した。
「っ……、」
さっき口にした白いものが、消化されないままに吐き出された。
「ごめん、きつかったね」
新しいタオルで口を拭かれ、男の腕が僕を包み込んだ。
背中と頭を撫でられる。
近すぎる体温に、僕は身体が固まるのがわかった。
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