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side.蓮



俺はこの子に、触れることすらできない。
話を聞いてやることも、声を聞かせてもらうことも。

それでも、俺は、



「――!、っ!っ!」



嫌がる瑠依を構わず抱き込んだ。
案の定腕のなかで暴れて、手首に噛みついてきたりした。
ギリギリと痛みを感じながら、それでも俺は、離そうとしなかった。



「瑠依、怖くない、大丈夫だから」
「っ……」



俺はどれだけ怪我をしてもいい、
この子の痛みを、少しでも背負えるなら。

抱き込んだまま、柔らかい髪を撫でた。
背中はすっかり痩せて、骨が浮いてしまっていた。
大切で、大切で、どうか届きますようにと、祈ることしかできなかった。



「俺が、そばにいるから……」



だから、



「一人で、泣かないで……」



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