6
れんが、泣いた。
僕は、わからなかった。
おくすり、というものを、飲まなかったから。
れんが、泣いた。
かなしいの、
いたいの、
くるしいの?
僕のせい?
おくすり飲んだら、かなしくない?
「頑張ったね、ありがとう」
れんは、笑ってくれた。
僕を、抱き締めてくれた。
ありがとう?
それは、なに?
「瑠依、大好きだよ」
れんは、いつもそういう。
僕は、わからない。
わからないから、目をとじる。
れんは、構わず頭を撫でる。
もう、れんは、泣いてない。
僕が、『頑張った』から?
頑張ったら、いい?
「少しずつでいいからね」
僕は、どれだけ、頑張ればいい?
「ゆっくりで、いいからね」
僕は、頑張らなくちゃ、いけない?
「もう、一人じゃないからね」
僕は、
「一人で頑張らなくて、いいよ」
ぼく、は、
「俺も、一緒だからね」
れん、と、
生きたい、のかも、しれない。
前へ top 次へ