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れんが、泣いた。
僕は、わからなかった。

おくすり、というものを、飲まなかったから。
れんが、泣いた。

かなしいの、
いたいの、
くるしいの?

僕のせい?

おくすり飲んだら、かなしくない?



「頑張ったね、ありがとう」



れんは、笑ってくれた。
僕を、抱き締めてくれた。

ありがとう?
それは、なに?



「瑠依、大好きだよ」



れんは、いつもそういう。
僕は、わからない。

わからないから、目をとじる。
れんは、構わず頭を撫でる。

もう、れんは、泣いてない。
僕が、『頑張った』から?

頑張ったら、いい?



「少しずつでいいからね」



僕は、どれだけ、頑張ればいい?



「ゆっくりで、いいからね」



僕は、頑張らなくちゃ、いけない?



「もう、一人じゃないからね」



僕は、



「一人で頑張らなくて、いいよ」



ぼく、は、



「俺も、一緒だからね」



れん、と、



生きたい、のかも、しれない。



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