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side.蓮



瑠依が、風邪をひいた。



「………瑠依、」



身体を丸めて、ベッドに寝そべる姿。
顔は赤く、苦しそうにふぅふぅ息をついている。



「お薬、飲もうか」



くたりとしている瑠依の身体を持ち上げるけれど、瑠依は目を伏せたまま。
薬と水を差し出すと、後ろに後ずさった。

……これは、大変なことになりそうだ。

以前、瑠依からつけられた、傷。
包帯は取れていない。



「瑠依、お願いだから」



ぐ、と瑠依は唇を噛む。

このこは、生きることを諦めようとする。
いや、生きることが、つらいんだ。

身体は風邪とた闘うために、必死になっているのに。
瑠依自身は、闘おうとはしない。

生きる意味を、価値を、知らない。
自分の価値を、知らない。



(……ごめ、……なさ、い)



普段は声を出さない瑠依が、寝ているときに口を動かした言葉。

生まれてきて、ごめんなさい、と。



「……瑠依……」



どうしたら、伝わる?
どうしたら、わかってくれる?

瑠依のことが、大切だと。
生きて、ほしいと。



「っ………」



目の前で瑠依が身動ぎしたのがわかった。
はっと顔をあげると、びっくりしたように目を見開いていた。



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