2
半ば無理矢理、ごはんを食べさせられた。
僕は、吐いた。
どうやら、れんは、僕を生かせたいらしい。
僕は、いらない。
だから、なにも聞かない。
なにもいらない。
「……瑠依」
部屋の隅っこで、ぼうっと座っていたら、れんが近づいてきた。
僕は、うごかない。
隣に座る気配がする。
「こんなところにいたら、風邪ひくよ」
れんが僕を持ち上げようとする。
右手には、僕がつけた傷に巻かれた、包帯。
いや。
僕は、れんを突き飛ばした。
ふら、とれんは揺れた。
僕は自分の手を噛む。
なにも、はなさない。
なにも、いらない。
「瑠依、だめ、やめて」
「っ、」
ぐい、と口にれんの指が入ってきた。
その間に僕の手が抜かれる。
かまわず、噛みついた。
「俺の指なら噛んでいいから」
そのまま、抱き込まれる。
ばた、と暴れても離してくれない。
どんなに強く噛みついても。
どんなに強く叩いても。
れんは、離れない。
「……うん、嫌だね、ごめんね。でも、俺も離すの嫌だから」
どうして?
「瑠依が気が済むまで、いくらだって俺を傷つけていいよ」
そんなこというの?
「瑠依のことが、大切だから。俺よりも」
―――『生まれてこなければよかったのに』
大切って、なに、
前へ top 次へ