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「……ばかだなあ」
「え」
俯いていた顔をあげると、航が優しく笑っていた。
「俺は奈津とするために、付き合ってんじゃないよ?」
「っ……」
「奈津が好きで、傍にいたい。それだけじゃん」
ね、と言い聞かせるように頬に軽くキスされた。
航で、本当に良かった。
航が、好き。
傍にいたい。
ぎゅってしたい。
キス、したい。
「航、」
「ん?」
「キス、していいよ」
「……奈津?」
「キス、したい」
安心させるように精一杯笑うと、航もはにかむように笑って、キスしてくれた。
何度も、何度も。
啄むようなキスをされた。
(まだ、だけど)
(いつか、)
僕も航と同じくらい、航を求められるように。
(待っててね、)
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