5
 

「……ばかだなあ」
「え」



俯いていた顔をあげると、航が優しく笑っていた。



「俺は奈津とするために、付き合ってんじゃないよ?」
「っ……」
「奈津が好きで、傍にいたい。それだけじゃん」



ね、と言い聞かせるように頬に軽くキスされた。

航で、本当に良かった。
航が、好き。
傍にいたい。
ぎゅってしたい。

キス、したい。



「航、」
「ん?」
「キス、していいよ」
「……奈津?」
「キス、したい」



安心させるように精一杯笑うと、航もはにかむように笑って、キスしてくれた。

何度も、何度も。
啄むようなキスをされた。



(まだ、だけど)
(いつか、)



僕も航と同じくらい、航を求められるように。



(待っててね、)



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