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「俺……やばいの」
「?」
「奈津と一緒いると、止まんなくなりそうで」
正直、今もかなりやばい。と航が苦笑しながら言った。
「それ、って」
「………うん」
「つまり、その」
「奈津に触れたい。ぎゅってしたいし、たくさんキスしたいし……抱きたい」
ぴくりと僕の肩が動いてしまって、航がそっと身体を離した。
「でも、奈津が大事だから。傷付けたく、ないし。だから俺、我慢するし」
「僕の、こと……」
「え?」
「嫌いに、ならないで……」
不安でいっぱいになる。
好きだから、僕だって航とぎゅっとしたい。
キスだってしたい。
でも、それからは。
僕にとっては恐怖の象徴。
好きだから、する、っていう図式に結び付けない。
それは恐怖でしかなくて。
だから航に、たくさん迷惑をかけてると思う。
だからいつか、嫌われるんじゃないかって。
不安で、堪らないんだ。
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