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航が慌ててる。

なんで僕、航にキスしたんだろう。
思い出して、その恥ずかしさに顔が赤くなるのがわかった。



「え、なんで奈津が照れんの!?」
「わか、んなっ……」
「っ、うわ、なんか」



航も顔が赤い。



「ごめ……無意識、に」
「っ………」
「し、したいなって」



言って、また恥ずかしくなった。
航がつつ、と横にずれて距離を置いた。



「ごめん、嫌だったっ……?」
「やっ……違う、わ、泣くな」



航が頭を撫でてくれたけれど、距離は置いたままだ。



「じゃ、なんで」
「………怒らない?」
「……うん」
「嫌いにならない?」
「どっちが、っ」



泣きそうになる。

でも航が、優しく髪を撫でてくれて。
割れ物を扱うみたいに、そっと頭を抱えてくれた。



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