2
side.航
ゲームの中で、俺が操っていたキャラが倒された。
なんて破壊力。
奈津。
「ちょっ……何、言って」
「へ?」
奈津はきょとん、とした様子で俺を見ていた。
「なんか、誤解、されたかなって」
「や、そういうわけじゃなくてそういうわけなんだけどでも違って今は」
「?」
首、傾げられた。
なにこの子、可愛い。
可愛すぎて死ぬ。
殺される。
「奈津の、ばか……」
「え?ばか……え?」
「そゆこと、俺以外に言うなよ。満月先生にも。あとその顔も」
ぎゅってしたい。
キスしたい。
抱きたい。
でも、止まらなくなる。
大切だから。
あの時、決めたから。
手は出さない。
奈津の傍に、いるために。
「っ……え!?」
「あ……あれ」
奈津から、キス、された。
触れる程度の、軽いやつ。
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