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「ネガティブって」
「だってそうだろ?……ま、辛くなったらいつでも呼んで。夜中でも駆け付けるから」
「ひゃ、」
軽く頬にちゅ、と口付けされて、僕はびっくりして身体を縮こませた。
ぱちり、と航と目が合った。
「……あー……」
「……航?どしたの」
「……それ反則」
「え?」
航はふいに僕から離れて、顔を手で隠してしまった。
「航?」
「あー今近付かないで」
しっしっ、と手であしらわれてしまう。
……よく、わからない。
僕が嫌がったように思われたのだろうか。
なんで、目を合わせてくれないんだろう。
「こ、う」
「うー……」
名前を呼んでも、航は蹲って顔を伏せたままだった。
どうして?
どうして僕と目を合わせてくれないの。
僕の事が嫌いになったの。
帰れって思ってるの。
航からは一言も発せられないままなのに、そんなことばかり考えてしまって。
(だって)
(よくわからないんだ)
愛される、てこと。
愛されていいのか、てこと。
(だから、不安なんだ)
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