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「奈津、寝ちゃった?」
「……てない……」
「寝そうだなぁ」
ゆるゆると頭を撫でてくれるから、また寝そうになってしまう。
睡魔に負けないように、目の前の航にぎゅっと抱き付いた。
こたつはとっても温かい。
二人でくっついてると暑いくらいだった。
「少しならいいけど、寝るときはベッドでだよ?」
「……やぁー……」
こんなに温かいのに。
ぎゅ、と航のシャツを掴んでいやいやすると、航はふふ、と笑ってくれる。
「俺が連れて行ってあげるから」
「外、さむい……」
「……すっかりこたつにハマっちゃったね……」
どうしようかなぁ、と航が頭を悩ませているのがわかる。
最近、思うことがある。
航を困らせてはいけないと思う。
悩ませて、迷惑をかけてはいけないと思う。
それとは反対に、僕のことで悩んで欲しいとも思う。
いつだって、僕のことを、考えていて。
だから、少しの我が儘も、どうか、許して。
「こぉ、一緒に、寝よ……?」
こんな我が儘にだって、航は笑って、うんと言ってくれると知っているから。
僕は甘えてシャツにしがみつく。
この手は無理矢理剥がされることはないのだと、僕は知っている。
僕のもの。
僕は、航のもの。
だから、ずっと、僕のことを考えていて。
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